アメリカ最速成長スポーツへの道
ピックルボールは2020年代を通じてアメリカで最も急成長しているスポーツのひとつとして注目を集めてきました。2010年代には一部の愛好家だけに知られる存在でしたが、2020年代に入って爆発的に普及し、現在はアメリカ全土のYMCA・学校・公共施設にコートが設置されるほど身近なスポーツになりました。
グローバルのピックルボール市場規模は2024年時点で約22億ドル(約3,300億円)と推計され、年平均成長率(CAGR)15.3%で拡大を続けています。2033年には44億ドル(約6,600億円)規模に達する見通しです(Market.us調べ)。コンパクトなコートサイズと低い参入障壁から、「誰でも短時間で楽しめる」点が世代を超えた支持を集めています。
プロリーグの誕生と拡大
スポーツビジネスとしてのピックルボールの成熟を象徴するのが、プロリーグの成長です。2023年にPPA Tour(Professional Pickleball Association Tour)とMLP(Major League Pickleball)が統合し、United Pickleball Association(UPA)のもとで一体運営が始まりました。
2024年には両ツアー合計で約130名の契約選手に対し総額3,000万ドル超の賞金・報酬が支払われ、過去最高を更新。全米でのテレビ放映時間はFOX・CBS・ESPN・Amazon Primeなど主要局合計で350時間以上に拡大し、FOX放映の1試合で視聴者数50万1,000人(プロピックルボール史上最高)を記録しました(PPA Tour公式発表)。スポンサー数は50社を超え、スポンサー収益は前年比50%増と、本格的なプロスポーツビジネスとしての経済圏が確立されています。
大手スポーツブランドの参入
市場の急成長を受けて、大手スポーツブランドも続々と参入しています。Wilson・Head・Nike・Asics・Adidasなど主要スポーツブランドがピックルボール専用シューズ・パドルラインを展開。
特に注目されるのは専業ブランドの急成長です。JOOLAはAmazon販売シェア8%・前年比109%増(2023年)を記録し、世界トッププロのBen Johnsと生涯契約を締結。Selkirk Sportは2026年1月にBluestone Equity Partnersから3,000万ドルの成長投資を受け、企業評価額は約2億ドルに到達。同社の2019年以降の売上成長率は驚異の1,900%超に達しています(Forbes)。
セレブリティ・投資家の注目
ピックルボールへの投資・参入はスポーツブランドにとどまりません。NBAのレブロン・ジェームズ、NFLのトム・ブレイディをはじめとするトップアスリートがMLPチームのオーナーに名を連ねています。こうしたセレブリティの参入はメディア露出を増やし、「次のゴルフ」「次のテニス」として富裕層・ビジネス層にも広がる可能性を示しています。
アジア・日本への広がり
ピックルボールの熱はアメリカにとどまらず、カナダ・ヨーロッパ・オーストラリアを経てアジアにも広がっています。日本国内の競技人口は2025年3月時点で推計約4万5,000人(ピックルボールワン社調べ)で、2024年の約9,000人から1年で約5倍に急増。さらに2026年には約33万人への拡大も予測されており(ピクラ調べ)、潜在競技人口は約1,189万人とも推計されています。
地域別では首都圏が競技人口の66%以上を占め、東京・南青山エリアを中心に体験できる施設が急増しています。
今後の展望:オリンピック種目化も視野に
2028年ロサンゼルス五輪への採用は見送りとなりましたが、最短では2032年ブリスベン五輪が現実的なターゲットとなっています。2025年8月には国際統括団体が統合してUWPFが設立、さらに2026年7月を目標に単一統括団体の設立を目指しており、IOC承認への道が着実に整いつつあります。
日本市場においても施設の増加と競技人口の拡大が続いており、pickle9はその成長期の日本ピックルボールシーンの中心地として、青山から新しいスポーツ文化を発信していきます。
